INTERVIEW

その人の人生は
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自分を信じる力とポジティブがもたらす効果。中央区議会議員 山本りえさん に聞く、しなやかに生きるヒント。

2019.09.09

山本りえ プロフィール

東京都中央区議会議員、4,088票という圧倒的な得票数をもって3期目当選。

Blog:https://ameblo.jp/yama-rie Facebook:https://www.facebook.com/yamarie0324 

Twitter:https://twitter.com/yamarie0324

川村学園女子短期大学卒業/慶應義塾大学法学部卒業/2011年4月中央区議会議員初当選

 


様々な職業がある中で、区議会議員としてはたらくことを自らの意思で選んだ。

正解のないものに対して、その都度判断し、決断していく。優雅で上品な雰囲気の中には、まぶしいほどキラキラと光る強い意志がありました。

全て自分で決める。厳しい自律からなる区議会議員の仕事。

—まず初めに、山本さんがされている区議会議員とはどのような仕事ですか?

 

 

二元代表制のもと、議会は行政監視や政策立案しています。税金の使い道をチェックしたり、条例を制定したり、新しい行政サービスを提案しています。

 

国政は、国会で多数の議席を占める政党の党首が内閣総理大臣に選ばれる議院内閣制です。一方、地方議会は有権者が首長と議員を別々に選ぶ二元代表制です。

そのため、行政と議会がしっかりと政策論争してこそ民意が反映されます。区民にとって何が一番良いのか議論を重ねています。

 

 

 

—なるほど、区長も議員も区民が選ぶ代表、政治に参加していると感じやすいですね。

政党に所属されている方もいらっしゃいますが、山本さんのように無所属の方もいらっしゃいます。

それは政策を進める上で重要ですか?

 

 

 

地方議会は、政党政治ではなく会派政治です。政党所属議員は党議拘束に縛られますが、各々が区民の代表であり、それぞれの政策をもっています。その政策実現にあたり、過半数以上の賛成を得る必要があれば会派を結成したり、他会派に働きかけを行います。

 

行政の政策分野は、予算、決算、条例など多岐にわたり、それらの議案を審議して議決するのですが、基本的には賛成のものが多いですね。

 

しかし築地市場の移転など賛否が分かれることについては、議決権の数が重要となります。また、大きく意見の分かれる受動喫煙防止対策やLGBT条例なども論争します。

 

 

 

 

—たばこもLGBTも私たち区民にとっても身近な問題です。こういった事がどのように話し合われているのかという事は、私たち区民も興味を持たなければいけないですね。

 

個人で動かれる事が多いと思いますが、どんな流れで一日を過ごされていますか?私には想像もつかない事なので、とても興味があります。

 

 

そうですよね、「区議会議員って何をしているのかしら?」って思いますよね。(笑)

 

まず、私たちは出勤というものが無く、上司も部下もいません。だから全て自分で決めます。自己責任のもと仕事と日常生活の線引きをします

 

 

 

ー仕事と日常の線引き、それはとても難しそうですね。

出勤がないということは、(山本議員の議員控室にインタビューでお邪魔しました。)こちらには議会中にいらっしゃるイメージなんでしょうか。

 

議会中はみなさんいらっしゃいます。議会は年4回開会されていますが、会期期間と出席日数は異なり、短ければ2、3日出席するだけです。

議員の仕事は議会に出席するだけではなく、政策の調査・研究や現場視察など勉強をすることも大切です。

中央区のイベントの来賓や町会などの催しのお手伝いにも伺います。

 

大きく分けて、1、議会活動 (議会・委員会・来賓)、2、政治活動 (選挙・政党)、3、後援会活動 (町会等組織・報告会)

3の後援会活動は、選挙活動に近いものがありますね。

 

 

 

—小学校や保育園の運動会なども来てくださってますよね。これは議会活動に当たるものだったんですね。

来ていただいていると、親の私たちより子供たちの方が割としっかり議員の方のお名前やお顔を覚えているんですよ。「○○さん、去年も来てくれてたよね」なんて。

 

 

嬉しいですね、気づかれていないかと思っていました。(笑)

こういった来賓参加は強制ではなく選択できるんですよ。だから行くか行かないかは個人の判断です

それぞれの議員がそれぞれの動きをしているので、「区議会議員っていったいなにをしているんだろう?」って言われても当然ですよ。

 

 

—区民と関わる頻度にしても、それぞれの個人の仕事のやり方というところなんですね。

現状への不満から、社会と自分への挑戦へ。

—私たちの生活にダイレクトに関係のあるようなことも、俗世間からかけ離れた優雅なおじさまが優雅すぎる価値観で物事を決めていくという事に私は疑問があります。

それは私の知識不足からくる古いイメージでしょうか。

 

 

なるほど、そうですね。今でも地方では議員は名誉職で、ただただ議員であり続けています。

でも、都市部では若い議員が増えました。若い立候補者が増え、多様性が出てきました。

 

 

—確かにそうですね、都市部では選挙時、若い方のポスターが増えているようなイメージはあります。山本さんもそうです。

山本さんが区議会を志したきっかけ何だったんですか?

 

 

私は、2011年に初めて統一地方選挙に出馬したんですが、そのひとつ前の2007年の選挙で同世代の女性が区議会議員に当選したんです。とても衝撃でした。「あぁ、そんな選択肢があるんだ!」って。

 

当時、私は27歳で社会と自分の現状に対する不満が募っていました。だから、自分を変える、そして社会を変える覚悟をもって、挑戦したのがきっかけ。

 

当時はまだ若い立候補者が少なく、女性の働き方や子育てを政策に掲げる人が少なかった。子育ては、福祉の対象ではなく当たり前のことってスタンスだったんですね。

 

若い人が投票に行かないから、よけいに政治家は票になる高齢者政策に力を入れるんですよ。

 

 

 

—そうですよね、政治家はまずは当選しなければならないわけで、高齢者政策に力を入れるのもわかります。

でも未来があるのは若い人たちであり、高齢者の生活を支えていくのも若者と子供ですものね。

 

 

そうです、若者や子供を支えなければ、日本は成り立たないんですよ。若者が政治に興味をもち、投票に行くことが大切なんです。

 

投票率が低ければ固定票がある現職が強く、逆に投票率が高まれば新人が参入しやすくなるんです

例えば、全体の投票率が50%として、この票を中央区議会議員30人が取り合っているわけです。仮に投票率が60%を超えたら、10%の新しい票で新しい議員が誕生する確率が上がるんです。

 

現職議員から見れば、あまり政治に関心を持ってもらわないほうが良いっていう発想になるんですよ。低投票率は、議員の問題でもあるんです。

 

 

—それは若い世代が政治に興味を持つと困る議員も出てくるということですよね?えぇー!これは面白い、そんな風にとらえて考えた事がなかったです。もっと政治関心を持つべきですね、勉強不足を恥じます。

後編は山本議員の生き方へと迫ります。

東京都中央区議会議員山本 りえインタビューVOL.2

 

取材、文:小川圭美